夫との残された日々

夫が肺小細胞がんのステージ3と宣告されて3年。
残された時間が少ないことを先日私にのみ告げられました。
何ができる?どうしたらいい?
そんな日々を綴っていきたいと思っています。

卒業式

今日は私たちのひとり娘の大学の卒業式だった。


朝から雨模様で寒かったけれど、午後には晴れ間もさしてきた。


在学中に夫が完治の望めないガンだとわかった時は、とにかく無事に娘を卒業させなくては・・・と真っ先に考えた。


本人も、そのこともあり、きっと楽しいばかりの大学生活ではなかったと思う。


4年生の後期、最後の学費を払い終えた時は、心底ホッとした。

卒業認定が降り、教職も取れたとわかった時は、涙が出た。


抗がん剤を打ちながらも仕事を続けてくれた夫、そして真面目に大学生活を送った娘自身。

本当にありがとう。


お父さん、娘はエンジの袴がとてもよく似合って、立派だったよ。


私は式には出ず、写真だけ撮って病院に行った。

今日は痛みもだるさも少しだけ落ち着いて、会話もできたので写真を見せると、

夫は泣いていた。


愛情表現の上手くない夫と娘との関係は、さほど良いものではなかったが、

「かわいい・・・よかった・・・」と何度も言っていた。


娘は既に新入社員の研修が始まっていて、なかなか病院にも行けないのだけれど、

土曜日は卒業証書と教職免許を持って行くと言っている。


苦しい、辛い毎日だけど、こんないい1日もある。


どうか夫が1日でも長く生きて、こんな日がまたありますように。